ドローダウンに注目する

MT4のEAを選ぶ際に注目すべきものの一つとして、ドローダウンがあります。ドローダウンの参考値としては20%前後とされることが多いですが、どういった意味なのでしょうか。まずはドローダウンとはなにかから解説していきます。

▷絶対ドローダウン(Absolute drawdown)
初期資金からどれくらい資金が減少したかを示すのが絶対ドローダウンです。
たとえば、初期資金100万円で、200万円まで利益を増やしたけれど、100万円まで資金が減少した場合の絶対ドローダウンは0です。初期資金100万円から現資金が100万円なので、絶対ドローダウンは0となります。

▷相対ドローダウン(Relative drawdown)
資金が最大にまで増加したあと、どれだけ資金が減少したかを示すのが相対ドローダウンです。
たとえば、初期資金100万円から200万円まで増加した後に、100万円に減少した場合は相対ドローダウンは50%となります。

▷最大ドローダウン
任意の期間内で生じたドローダウンの中で最も大きなドローダウンが最大ドローダウンです。
ドローダウンの計算式は以下のとおりです。
損失額÷資金×100 = ドローダウン
たとえば、初期資金100万円から50万円にまで資金が減少してしまった場合のドローダウンは50%となります。この値が一番大きいポイントを最大ドローダウンと言います。最大ドローダウンが大きいEAは、損失が大きくなる可能性があり、リスクの高いEAと言えます。

MT4におけるEAのバックテストの結果を見る際に、「初期証拠金」と「総損益」と合わせて相対ドローダウンにも注目しなければいけません。いくつかのEAを比較する際には、初期証拠資金が小さく総損益が大きい、かつ相対ドローダウンが小さいものが最も優れていると言えます。ドローダウンが小さいということは、資金の減少が少ない、つまりリスクが少なく大きな利益を狙いにいけるということを意味します。

MT4でEAを稼働させる際には、初期資金や追加できる資金から自分がどれくらいのドローダウンにまで耐えれるのかを決めておかなければなりません。大きなドローダウンが生じてしまうと精神的にも耐え難くなります。許容できるドローダウンの目安として、「ドローダウンが20%程度のものを選ぶのがいい」と言われています。ドローダウンが大きいEAを選んでしまうと、一気に資金を失ってしまったり、強制的にロスカットとなってしまったりすることがあります。許容範囲のドローダウンを超えてしまった場合は、自動売買を停止するなどの処置を取らなければなりません。

またドローダウンは、バックテストで出ている最大ドローダウン値を更新する可能性もあります。バックテストはあくまで過去の相場での成績のため、今後場合によっては最大ドローダウンが2倍程度まで大きくなることもあります。そのためMT4のEAを選ぶ際には、自分が許容できる最大ドローダウンギリギリでなく、余裕を持ったラインのEAを選ぶようにしてください。いくら大きな利益を出してくれるEAでも、最大ドローダウンが大きすぎると破綻してしまう可能性も大いにあるので、実際の運用には適しません。

ドローダウンが大きくなる理由として考えるのは、ロットが大きすぎる、手法が適していないなどです。ロットを上げすぎてしまったり、現在のトレンドにあっていない手法のEAを使い続けていると、どんどんドローダウンが大きくなってしまいます。

MT4のEAを安定的に運用していくためには、ドローダウンを意識しながらしっかりと資金管理をしていかなければいけません。そのためにもEAを選ぶ際には、相対ドローダウン・最大ドローダウンがどれくらいなのかをきちんと確認し、自分の資金状況と照らし合わせながら選んでいってください。

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